2027年からVALORANTはどう変わるのか——企業・自治体が「注目」すべきポイント【取材/考察】
激動の時代における最大の危険は、激動そのものではない。昨日の論理で行動することだ。
——ピーター・ドラッカー(経営学者)
激動の象徴である「eスポーツ」において、いま最も勢いのあるFPSタイトルの1つ『VALORANT』、その競技フォーマットに2027年から大きな変更が加わることになる。
今回の記事では、『VALORANT』の競技シーンへの新規参入を検討している事業者、およびスポンサードや投資を検討している企業、自治体、行政関係者にむけて「そもそもVALORANTの競技シーンとはどういうものなのか」、足元の理解を深めてもらうきっかけとして、これまでの競技フォーマットの変遷と「これから」を整理していく。
——ピーター・ドラッカー(経営学者)
激動の象徴である「eスポーツ」において、いま最も勢いのあるFPSタイトルの1つ『VALORANT』、その競技フォーマットに2027年から大きな変更が加わることになる。
今回の記事では、『VALORANT』の競技シーンへの新規参入を検討している事業者、およびスポンサードや投資を検討している企業、自治体、行政関係者にむけて「そもそもVALORANTの競技シーンとはどういうものなのか」、足元の理解を深めてもらうきっかけとして、これまでの競技フォーマットの変遷と「これから」を整理していく。
フォーマットの変更は初めてのことではない——2021年の姿に戻る
『VALORANT』がリリースされたのは2020年、その後、初めて世界大会に相当する枠組みが設けられたのは2021年、つまり2021年が『VALORANT』における、国際的な競技シーンのフォーマットが設けられた最初のタイミングである。
結論として(大会の形式としては)2027年からは、2021年のフォーマットに近い状態に戻ることになる。
かつて、2021年~2022年の『VALORANT』の競技シーンは「国内予選」と「2つの世界大会」というシンプルなフォーマットで実施されていた。
日本では国内予選に相当する大会として「VCT Japan Stage」(2021年) 、「VCT Challengers Japan」(2022年)が設けられており、各国の代表チームが出場する世界大会として「Masters」、年間ポイント上位のチームが出場できる世界大会として「Champions」があった。
どんなチームでも参加でき、国内の予選を勝ち進めば、世界の舞台が待っている。このような開かれた形式を、eスポーツの文脈では「オープンである」という言い方をする。
結論として(大会の形式としては)2027年からは、2021年のフォーマットに近い状態に戻ることになる。
かつて、2021年~2022年の『VALORANT』の競技シーンは「国内予選」と「2つの世界大会」というシンプルなフォーマットで実施されていた。
日本では国内予選に相当する大会として「VCT Japan Stage」(2021年) 、「VCT Challengers Japan」(2022年)が設けられており、各国の代表チームが出場する世界大会として「Masters」、年間ポイント上位のチームが出場できる世界大会として「Champions」があった。
どんなチームでも参加でき、国内の予選を勝ち進めば、世界の舞台が待っている。このような開かれた形式を、eスポーツの文脈では「オープンである」という言い方をする。
ZETA DIVISIONが世界3位という驚異的な結果を納めたのも当時のフォーマットだ。「日本人はオープンな大会のほうが得意なのではないか」という言説があるのはこれが理由でもある。
そして2023年、そのフォーマットが一新されることになる。
従来の国内予選→世界大会の流れではなく、のちにインターナショナルリーグと呼ばれる、4つの地域リーグ(VCT AMERICAS、VCT EMEA、VCT PACIFIC、VCT CHINA※)と、チャレンジャーズリーグと呼ばれる、各国の国内リーグに区別されることになった。
※2023年時点では、3つの地域でスタート、2024年にVCT CHINAが追加された
そして2023年、そのフォーマットが一新されることになる。
従来の国内予選→世界大会の流れではなく、のちにインターナショナルリーグと呼ばれる、4つの地域リーグ(VCT AMERICAS、VCT EMEA、VCT PACIFIC、VCT CHINA※)と、チャレンジャーズリーグと呼ばれる、各国の国内リーグに区別されることになった。
※2023年時点では、3つの地域でスタート、2024年にVCT CHINAが追加された
世間的にTier 1と呼ばれているのは、国際大会(VCT AMERICAS、VCT EMEA、VCT PACIFIC、VCT CHINA、VALORANT Championsなど)のことであり、ここではインターナショナルリーグとする。
一方、Tier 2は、各国で実施される大会(「VALORANT Challengers Japan」など)のことであり、ここではチャレンジャーリーグと記載する。ちなみに今回の取材も、日本のチャレンジャーリーグである「VALORANT Challengers Japan 2026 Season Finals」(以下、「VCJ 2026 Finals」)で実施したものである。
野球で例えると、メジャーリーグベースボール(以下、MLB)と日本プロ野球(以下、NPB)の関係性が近いだろう。私たちはMLBのことをTier 1、NPBのことをTier 2と序列をつけるような表現をしていないように、この記事でも、上記の2リーグを「序列があるもの」ではなく、あくまで別の枠組みだという捉え方をしたい。
今回はいわば、MLBとNPBが融合して、地続きのトーナメントになることと同義なので、極めて大きな変更といえる。ところが、少なくとも国内のコミュニティでは、そこまで大きな騒ぎになっているわけではない。それは「フォーマットの変更は初ではない」「かつての姿に戻るだけではある」という背景が一因にもなっている。
一方、Tier 2は、各国で実施される大会(「VALORANT Challengers Japan」など)のことであり、ここではチャレンジャーリーグと記載する。ちなみに今回の取材も、日本のチャレンジャーリーグである「VALORANT Challengers Japan 2026 Season Finals」(以下、「VCJ 2026 Finals」)で実施したものである。
野球で例えると、メジャーリーグベースボール(以下、MLB)と日本プロ野球(以下、NPB)の関係性が近いだろう。私たちはMLBのことをTier 1、NPBのことをTier 2と序列をつけるような表現をしていないように、この記事でも、上記の2リーグを「序列があるもの」ではなく、あくまで別の枠組みだという捉え方をしたい。
今回はいわば、MLBとNPBが融合して、地続きのトーナメントになることと同義なので、極めて大きな変更といえる。ところが、少なくとも国内のコミュニティでは、そこまで大きな騒ぎになっているわけではない。それは「フォーマットの変更は初ではない」「かつての姿に戻るだけではある」という背景が一因にもなっている。
2026年までのフォーマットの論点——コミュニティとチームからの賛否
以降、チャレンジャーズリーグに優勝すれば、インターナショナルリーグに出場できる権利が得られる国際大会(「Ascension Pacific」など)に出場する権利が得られる。事実上、チャレンジャーズリーグはインターナショナルリーグへの昇格を目指して戦う下位リーグという位置付けになった。
結果、2023年~2026年のフォーマットは、コミュニティから賛否の声が上がり続けることになる。特に議論が巻き起こったのは、インターナショナルリーグに出場できるチームが「固定」になった点だろう。サッカーのJリーグにおける、J1、J2のような、成績による昇降格のルールが、同リーグには備わっているわけではなかった。
結果、2023年~2026年のフォーマットは、コミュニティから賛否の声が上がり続けることになる。特に議論が巻き起こったのは、インターナショナルリーグに出場できるチームが「固定」になった点だろう。サッカーのJリーグにおける、J1、J2のような、成績による昇降格のルールが、同リーグには備わっているわけではなかった。
また、2023年の制度変更と同タイミングで、各地域ごとに10チーム(計40チーム)がパートナーチームとして選出された。日本からは「DetonatioN FocusMe」(以下、DFM)と「ZETA DIVISION」(以下、ZETA)の2チームが選ばれ、以降、DFMとZETAはインターナショナルリーグである「VCT PACIFIC」を主戦場とすることになる。(例外として、アカデミー部門はチャレンジャーズリーグに出場できた)
コミュニティからは「クローズドになってしまった」という指摘が上がったが、国内大会は(VCJについては)最大32チームが参加できるオープンな仕組みが継続されており、また世界大会への道筋が完全に閉ざされたわけではなかった。
ただ、かつてのような国内大会と世界大会が「地続き」であった頃と比べると、世界大会は、ほぼパートナーチームのみが出場できる大会という位置づけになり、世界大会へ挑戦という点では、極端にクローズドになったのは確かである。
また、パートナーチーム制度は、競技シーンの安定化やプロチームのブランド価値向上に貢献する一方、選ばれるチームと選ばれないチームの格差を生みやすい制度という指摘もされている。
このパートナーチーム制度は、2027年シーズンも制度としての継続が決まっており、いまホットな話題なので、今後の展望のパートで後述したい。
コミュニティからは「クローズドになってしまった」という指摘が上がったが、国内大会は(VCJについては)最大32チームが参加できるオープンな仕組みが継続されており、また世界大会への道筋が完全に閉ざされたわけではなかった。
ただ、かつてのような国内大会と世界大会が「地続き」であった頃と比べると、世界大会は、ほぼパートナーチームのみが出場できる大会という位置づけになり、世界大会へ挑戦という点では、極端にクローズドになったのは確かである。
また、パートナーチーム制度は、競技シーンの安定化やプロチームのブランド価値向上に貢献する一方、選ばれるチームと選ばれないチームの格差を生みやすい制度という指摘もされている。
このパートナーチーム制度は、2027年シーズンも制度としての継続が決まっており、いまホットな話題なので、今後の展望のパートで後述したい。
2023年~2026年のフォーマットはコミュニティからの賛否だけでなく、チームの運営にも影響を与えていた。
2025年に部門の解散を発表した、インドネシアの大手チーム「Alter Ego」は、東南アジアのチャレンジャーズリーグで常に上位を維持し、過去5年間の賞金獲得総額は17.8万ドルだった。CEOは解散理由として「インターナショナルリーグの出場権を得るチャンスがあまりにも遠すぎる」と発言している。
チーム側からの主な言い分は、インターナショナルリーグと比べて、視聴者数やメディア露出で劣ることから「スポンサー価値を作りづらい」、チームの流動性はないが、選手の移籍は可能なため「選手を育ててもインターナショナルリーグに引き抜かれる」などが挙げられる。
2025年に部門の解散を発表した、インドネシアの大手チーム「Alter Ego」は、東南アジアのチャレンジャーズリーグで常に上位を維持し、過去5年間の賞金獲得総額は17.8万ドルだった。CEOは解散理由として「インターナショナルリーグの出場権を得るチャンスがあまりにも遠すぎる」と発言している。
チーム側からの主な言い分は、インターナショナルリーグと比べて、視聴者数やメディア露出で劣ることから「スポンサー価値を作りづらい」、チームの流動性はないが、選手の移籍は可能なため「選手を育ててもインターナショナルリーグに引き抜かれる」などが挙げられる。
(昇降格制でないから)(下位リーグだから)「スポンサー価値を作りづらい」という主張については、議論の余地があるだろう。昇降格制度があることで、チームの価値を測りづらく、投資を呼び込みづらいという側面もあるからだ。
事実、Bリーグは「クローズドな市場にすることで投資を呼び込む」という理由で、2026年から10年間続けた昇降格制度を撤廃して、事業規模と地域でセグメントした競技制度に切り替えている。
事実として、海外のチャレンジャーズリーグに所属するチームの中には、上記を理由に失脚していくチームも多く、チーム目線では持続可能性のあるフォーマットとして懐疑的な見方をされることもあった。
事実、Bリーグは「クローズドな市場にすることで投資を呼び込む」という理由で、2026年から10年間続けた昇降格制度を撤廃して、事業規模と地域でセグメントした競技制度に切り替えている。
事実として、海外のチャレンジャーズリーグに所属するチームの中には、上記を理由に失脚していくチームも多く、チーム目線では持続可能性のあるフォーマットとして懐疑的な見方をされることもあった。
世界が苦戦するなか、日本だけが成長できた理由——閉鎖的であることを「逆手」にとった
諸外国が苦戦をするなか、日本だけは、少し異なっていた。
このグラフは、2024年にコミュニティで話題となった、海外掲示板「Reddit」で投稿された、2024年の世界各地域のチャレンジャーズリーグSplit 2の平均視聴者数ランキングである。
日本のチャレンジャーズリーグである「VCJ 2024 Split 2」は約6.5万人の視聴者数で圧倒的1位を記録。2位のフランスの約1万人に6倍以上の差を付けていた。
日本のチャレンジャーズリーグである「VCJ 2024 Split 2」は約6.5万人の視聴者数で圧倒的1位を記録。2位のフランスの約1万人に6倍以上の差を付けていた。
オンラインの視聴数だけでなく、オフラインの現場にも盛り上がりは表れている。VCJのようなオフイベが開かれれば、FENNEL、RIDDLE ORDERを筆頭に多くのファンがファンブースに訪れていた。
各国が新フォーマットに順応し切れないなか、日本は早い段階で「日本最高峰のリーグとして、みんなで盛り上げよう」と前向きな機運が発生していたように思う。
「なぜ日本の国内リーグは盛り上がったのか」
それは、すべての当事者たち(公式、運営、選手、チーム、ファン)の熱量と努力の賜物というのは言うまでもない。ただ、あえて特筆するとすれば、ライアットゲームズ 泉氏の言葉だろう。
各国が新フォーマットに順応し切れないなか、日本は早い段階で「日本最高峰のリーグとして、みんなで盛り上げよう」と前向きな機運が発生していたように思う。
「なぜ日本の国内リーグは盛り上がったのか」
それは、すべての当事者たち(公式、運営、選手、チーム、ファン)の熱量と努力の賜物というのは言うまでもない。ただ、あえて特筆するとすれば、ライアットゲームズ 泉氏の言葉だろう。
引用:https://eek.works/blog/detail.html&id=73
泉氏によると、日本のチャレンジャーズリーグは、意識的にインターナショナルリーグとは別物のコンテンツとして、設計&発信がされていたことがわかる。
これは筆者の解釈だが、日本だけは「クローズドである」という要素を逆手に取ることができたのだろう。限られた範囲に届けられるコンテンツだからこそ、グローバル規模ではできないような「濃度」と「尖り」を盛り込んでいたように思える。
泉氏によると、日本のチャレンジャーズリーグは、意識的にインターナショナルリーグとは別物のコンテンツとして、設計&発信がされていたことがわかる。
これは筆者の解釈だが、日本だけは「クローズドである」という要素を逆手に取ることができたのだろう。限られた範囲に届けられるコンテンツだからこそ、グローバル規模ではできないような「濃度」と「尖り」を盛り込んでいたように思える。
筆者自身、何度もVCJの会場に足を運んでいるが、現場では「下位リーグのプレーオフ」だという空気感はなく、日本最高峰の戦いを見守る高揚感と緊張感に包まれている。また競技的な側面だけでなく、選手とファンにとっては、貴重なファンミーティングの機会であり、ファン同士の交流も盛んだった。推し活とオフ会の機能も果たしていた。
その想いと各企業が共鳴するように「国内最高峰の『VALORANT』のオフラインイベントにする」という暗黙の了解のもと、最高の体験を提供するために尽力していた。
その想いと各企業が共鳴するように「国内最高峰の『VALORANT』のオフラインイベントにする」という暗黙の了解のもと、最高の体験を提供するために尽力していた。
今回の変更は日本にとってプラスなのか——新たなチームの新規参入の機会となるか
筆者は今回のフォーマット変更が、日本の盛り上がりに水を差すのではないかと考えていた。
前述したとおり、日本はチャレンジャーズリーグの仕組みに最も順応した国であり、ここからのさらなる盛り上がりに向けて、基盤が整いつつあったからだ。
また、日本のeスポーツチームの中には、2023年~2026年の間に躍進したチームもある。
その代表格は、FENNELだろう。同社は2023年以降、DUNLOP(住友ゴム工業)、松井証券、パーソルクロステクノロジーを始めとした、金融、製造業、人材系など、幅広い領域とのスポンサー契約を発表している。
前述したとおり、日本はチャレンジャーズリーグの仕組みに最も順応した国であり、ここからのさらなる盛り上がりに向けて、基盤が整いつつあったからだ。
また、日本のeスポーツチームの中には、2023年~2026年の間に躍進したチームもある。
その代表格は、FENNELだろう。同社は2023年以降、DUNLOP(住友ゴム工業)、松井証券、パーソルクロステクノロジーを始めとした、金融、製造業、人材系など、幅広い領域とのスポンサー契約を発表している。
今回のVCJでも、選手とのグリーティングでは長蛇の行列が
だが、取材を進めるうちに、今回の変更が、日本にさらなる良い変化を与えると考えるようになった。
1つは、いま以上に、日本中のVALORANTファンが一丸となって、世界に挑戦する日本チームを応援しやすくなるからだ。
現状、世界と国内のリーグが地続きではないので、チャレンジャーズリーグに所属するチームのファンが、インターナショナルリーグのチームを応援する動機が生まれづらい。
しかし、来年のフォーマットにおいて、世界に挑戦する日本チームは、国内のチームとの戦いを勝ち抜いた「日本代表」であり、全チームのファンの期待と想いを背負って戦うことになる。日本の強みである、国内リーグの熱量を、日本代表を応援する熱量にも転嫁できると考えると、全体の盛り上がりの総量は増えるだろう。
また、チームとしては新規参入のチャンスでもある。特に初年度、DFMやZETAと対戦するチームは、大きなアピールの機会となるだろう。
このビッグウェーブに乗らないわけにはいかない。
懸念があるとすれば、現状の世界大会「VCT Pacific」に相当する「Cups」「KICKOFF」というイベントに、日本チームが何枠参加できるのかが分かっていないことだろう。今後の情報のアップデートに期待したい。
また、現状の発表内容では、2027年は「2023年~2026年のVCJに相当するオフイベント」の有無が明確になっていない。国内大会である「オープン予選」には「オンライン実施」の記載があるので、別途のオフラインイベントの動向に注目である。
オフイベントへの懸念について、やや論点がズレるが、2026年6月に個人や企業が『VALORANT』による大会が開ける「VALORANTコミュニティー大会ガイドライン」が更新されている。
開催に際して、参加費、賞金額、日程について、一切の制限がないという、ハードルの低さという点で異例の内容だった。
「制限がない」=「個人がイベントが開きやすい」(イベント数が増える)とも限らないが、このような(緩和方向の)ガイドラインが発表されているのも、コミュニティの安心感に繋がっているという声もある。
最後に、新たなパートナーチーム制度に触れておきたい。
同制度は、2027〜2028年シーズンの継続が発表済みで、先日、新パートナーチームとして、日本からは「ZETA DIVISION」と「Crazy Raccoon」の2チームが選ばれた。
「2021年の姿に戻る」と前述したが、これは大会フォーマットに限定した話であり、これらの制度状況は2021年と異なるのは確かだろう。
今後、筆者が注目したいのは、ライアットゲームズが目指す「競技シーンを長期的に持続させること」と、ファンやチームが期待する「競技の公平性・実力主義」がどのような形でバランスされていくのかである。
いずれにしても、2027年からのフォーマット変更は、コミュニティの盛り上がり、ビジネスの構造、ともに大きなゲームチェンジをもたらすだろう。
『VALORANT』は今まで以上に、オープンで身近な存在になり、より一体感のあるコンテンツになっていく可能性もある。企業、自治体として、参入・実施を検討するタイミングとしては、これ以上ない好機だろうともいえるだろう。
オフイベントへの懸念について、やや論点がズレるが、2026年6月に個人や企業が『VALORANT』による大会が開ける「VALORANTコミュニティー大会ガイドライン」が更新されている。
開催に際して、参加費、賞金額、日程について、一切の制限がないという、ハードルの低さという点で異例の内容だった。
「制限がない」=「個人がイベントが開きやすい」(イベント数が増える)とも限らないが、このような(緩和方向の)ガイドラインが発表されているのも、コミュニティの安心感に繋がっているという声もある。
最後に、新たなパートナーチーム制度に触れておきたい。
同制度は、2027〜2028年シーズンの継続が発表済みで、先日、新パートナーチームとして、日本からは「ZETA DIVISION」と「Crazy Raccoon」の2チームが選ばれた。
「2021年の姿に戻る」と前述したが、これは大会フォーマットに限定した話であり、これらの制度状況は2021年と異なるのは確かだろう。
今後、筆者が注目したいのは、ライアットゲームズが目指す「競技シーンを長期的に持続させること」と、ファンやチームが期待する「競技の公平性・実力主義」がどのような形でバランスされていくのかである。
いずれにしても、2027年からのフォーマット変更は、コミュニティの盛り上がり、ビジネスの構造、ともに大きなゲームチェンジをもたらすだろう。
『VALORANT』は今まで以上に、オープンで身近な存在になり、より一体感のあるコンテンツになっていく可能性もある。企業、自治体として、参入・実施を検討するタイミングとしては、これ以上ない好機だろうともいえるだろう。
付録:公式スペシャルサポーター 手越祐也さんに「来年からの変更」について聞いてみた
手越さん:ルールが変わることは「チャレンジ」として良いことだと思っています。
僕はサッカーも大好きなんですが、ワールドカップも今回からレギュレーションが変わりました。賛否は出ると思うんですけど、すべてのeスポーツは「観客ありき」なので、まずファンが飽きずに見続けられることが大事。
もちろん(変更による)選手やチームの負担も考えなければならないですが、VALORANTに限らず、すべてのゲームが新たな「ファン」「選手」を獲得していかなかければならない。そんな状況において、現状維持のルールでいくよりも、変わっていったほうが、選手にも良い刺激になり、新たな戦略も生まれる。
なので、僕としては、変わっていったほうが「好き」ですし「挑戦」として前向きで良いなと思います。
取材・文:小川翔太
僕はサッカーも大好きなんですが、ワールドカップも今回からレギュレーションが変わりました。賛否は出ると思うんですけど、すべてのeスポーツは「観客ありき」なので、まずファンが飽きずに見続けられることが大事。
もちろん(変更による)選手やチームの負担も考えなければならないですが、VALORANTに限らず、すべてのゲームが新たな「ファン」「選手」を獲得していかなかければならない。そんな状況において、現状維持のルールでいくよりも、変わっていったほうが、選手にも良い刺激になり、新たな戦略も生まれる。
なので、僕としては、変わっていったほうが「好き」ですし「挑戦」として前向きで良いなと思います。
取材・文:小川翔太
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