進化し続ける企業 e スポーツ部!「富士通eSports部」の正体に迫る

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進化し続ける企業 e スポーツ部!「富士通eSports部」の正体に迫る

コロナ禍に、社内のeスポーツ好きが集まったことで発足したという「富士通eSports部」。
2020年2月の発足以降、規模の拡大を続け、現在の部員は700名になるとのこと。

活動タイトルは『League of Legends』、『Apex Legends』、『VALORANT』、『シャドウバース』といった15タイトル以上に及びます。
一体、どんな部なのか、その正体に迫ります。

eスポーツ部の活動状況や社員の方々の取り組み


――eスポーツ部の発足の経緯を教えてください。


2020年当時は会社公認の部活動ではなく、社内のeスポーツ好きのメンバーが集まった有志活動でした。

コロナで社内の交流が少なくなった時期に「みんなで集まってeスポーツを楽しむ」のを目的にスタートしました。業務が終わった後に飲みに行く感覚で、「ゲームしよう!」という感じでした。

富士通eSports部の理念は「皆が平等に、いつまでも楽しめる場としてあり続けること」です。全員ハンドルネームで活動し、役職や雇用形態、性別や年齢関係なくフラットな交流を行っています。

2023年から正式に部活動として認められて、部活動制度の対象になりました。

――具体的な実施頻度(週何回、何時間)や実施内容について教えてください。


週に1回程度、オンラインで集まって練習をしています。

各タイトルごとに企業対抗戦やコミュニティ大会があるので、それに向けて各々が個人練したり、チームで練習試合をしています。

あとは『Apex Legends』の場合、半年に1回ほど富士通eSports部内で、64人ほどのメンバーで対戦会を実施しています。メンバーの中には、大会を目指して頑張っている人や交流目的の人など、様々です。

eスポーツ部の実績


――これまでの活動でのご実績について教えてください。


社会人リーグの「AFTER 6 LEAGUE」にて、2022年に『League of Legends』、2023年は『Apex Legends』の部門で優勝しています。『PUBG Mobile』部門では3位でした。

部員の中には『シャドウバース』の公式大会で準優勝した人もいます。

――強さの秘訣はありますか。


理由としては「選手の層が厚い」ということが挙げられます。

企業の部活動として、700名弱の部員がいるeスポーツ部は珍しいといいますか、最も多いといえるでしょう。

部員の年齢層は下は20代(新入社員)から上は60代まで、中でも20代、30代が多く、9:1の割合で男性のほうが多いのですが、女性もいて『League of Legends』などをプレイされています。

eスポーツルームについて


――eスポーツルームの設備や使用感について教えてください。


ゲーミングPCが10台あり、5対5の対戦ゲームも問題なくできるので、オフラインで交流する場としてはとても整っています。

マウス、キーボード、ヘッドセットなどのゲーミングデバイスもすべて揃っているので、気楽に利用することができます。

――富士通eSports部では、この施設をどのように使用されているのでしょうか。


主にeSports部主催の大会や学生を招いた交流会、他社の方とのeSports企業交流などに使用しています。

富士通の社員であれば、事前申請で自由に利用できます。また、イベントの際は社外の方と一緒にeスポーツルームでプレイすることもできます。

――大きなモニターが沢山ありますが、観戦環境はいかがでしょうか。


各PCの画面を全面モニターに映せるので、ここに皆集まって前の画面を観ることができます。

また配信設備も完備されているので、イベントの様子をYouTubeで配信したりしています。

社員の方々にとっての富士通eSports部とは


――富士通eSports部に入ったことでどのような「心境の変化」や「仕事への良い影響」があったか教えてください。


コロナの前までは同期と関わりが盛んだったのですが、コロナ渦で交流が少なくなってきました。私は2022年の夏から入部したのですが、好きなeスポーツで社内交流できる場が広がり、仕事のモチベーションが上がっていきました。

また、私の職種はシステムエンジニアであり、客先常駐が多いので、社内コミュニケーションが希薄になりがちです。ただ、富士通eSports部のおかげで、社内でのコミュニケーションが増え、多くの社員と関わる機会が増えています。

――これまでの活動で最も印象的だった出来事を教えてください。


富士通の創立記念日に、富士通eSports部が主体となって、eスポーツ大会のイベントを行いました。富士通の役職者も参加して、一緒にeスポーツをプレイをして、とても盛り上がりました。

某格闘ゲームだったのですが、役職者の中には「過去にゲームセンターで格ゲーにハマっていた」という人もいたので、その方の新たな一面が見えて、盛り上がりました。

普段、役職者とメンバーが話す機会は滅多にないので、貴重な交流の場になりました。とある役職者は大学生ぶりにプレイしたそうで「久しぶりにやれて楽しかった」と言っていただけました。

――当日参加した人からどのようなフィードバックがありましたか。またどのような反響がありましたか。


「もっとこういうタイトルを取り入れてほしい」「こういう人も呼んでほしい」などがありました。

またYouTubeで限定公開をしているのですが、同時接続で100人~200人(現時点の総視聴者数は1000再生)の視聴者の方に観ていただけました。

人材採用面での影響


――eスポーツ部設立の前後で、応募数や離職率などに変化があったか教えてください。


変化はあるものの「果たしてそれがeスポーツ部設立による変化なのか」という分析には至っておりません。ただ、富士通自体がワークライフシフトで、ここ数年大きく変わってきていることもあり、全体としてポジティブな変化が起きています。

具体的には、オンラインをメインとして出社は2割~3割になっており、出社の際も固定席に座るのではなくフリーアドレスになっています。

オンライン化の一方で「もっと社内で交流をしたい」という社員の声もありますので、eスポーツなどの部活を通じてコミュニケーションを図っています。

――「eスポーツ部を福利厚生として明記する」など、もし今後の採用活動での積極的な活用についてお考えがあれば教えてください。


現在、学生向けの就活イベントなどで、富士通eSports部のことを紹介をしています。

実際、95%以上の学生さんから「富士通は大企業で堅苦しい企業だと思っていたけど、風通しのよい印象になりました」「イメージが変わりました」といったポジティブな感想をいただきました。

また、eスポーツルームを利用して、学生さんと富士通eSports部のメンバーで交流会イベントを実施したこともあります。学生さんが弊社社員とカジュアルにコミュニケーションを取る機会になっています。

――採用活動に限らず、その他、eスポーツ関連の取り組みはどのようなことをされていますか?


富士通社員の有志の取り組みとして、eスポーツを用いて企業間や自治体との交流を図った後に、富士通のテクノロジーを使ってデータ分析をしてビジネスに応用するといったビジネスネットワーキングイベントを行っています。

ただ単に「eスポーツで交流する」だけでなく、eスポーツを活用し、複数の企業の担当者が企業の壁を超えてビジネスへの可能性を見出すことで、企業間のクロスインダストリー(異業種連携)を開拓する実践の場として、アプローチしています。

また、富士通では会社が社員に提供できる価値を明文化しており、それをGlobal EVPとして、「Do the right thing」「Trusted to transform」「Work Your Way」「Global reach, local impact」「Achieve together」から成る5つの「People promises」というものを定めております。

eスポーツは本名や役職を明かさずにハンドルネームで活動可能で、それ故に、年齢や性別関係なく、多様なメンバーと交流ができます。このような理由から「多様なメンバーで活動できるeスポーツルームの設置」を「Achieve together」の中に掲載しています。

ちなみにeスポーツと直接関係があるわけではありませんが、ドッグオフィスというスペースもあるので、ワンちゃんと一緒にオフィスで仕事をする環境もあり、社員同士の新たな繋がりにワンちゃんも参加することができます。

――富士通さんありがとうございました!