eスポーツデバイスの企業に「どんな方と一緒に働きたいか」を聞いてみた【ゲーミングバザー2025編】

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eスポーツデバイスの企業に「どんな方と一緒に働きたいか」を聞いてみた【ゲーミングバザー2025編】

2025年10月18日、池袋サンシャインシティで開催された「ゲーミングバザー2025秋@東京」。今年は、企業18ブース/個人・コミュニティ17ブース、合計で35ブースが出展しました。

私たちeek取材班は、注目企業のブース担当者にインタビューを実施。

「売れ筋商品について」「どんな方と一緒に働きたいか」という2つの質問を軸に、各社の製品開発への取り組みや求める人材像を聞きました。

ゲーミングバザーとは

開場直後から
イベントホールには多くの来場者が



ゲーミングバザーは、ゲーミングデバイスやオリジナルグッズを展示・販売・交換できるカジュアルなマーケットイベントです。

ゲーミング「バザー」の名の通り
使用しなくなった中古デバイスなどが販売されている



東京ゲームショウのような大規模イベントとは異なり、より草の根的で親しみやすい雰囲気が特徴。使わなくなったデバイスの販売から、個人開発者による新製品の展示まで、多様な出展が並びます。

ここでしか買えない限定品や非売品も



物々交換コーナーも設置されるなど、単なる即売イベントではなく、コミュニティ性を重視している点も特徴です。

来場者アンケートを取っているブース



出展者との距離が近く、気軽に製品について質問したり試用したりできることも大きな魅力です。次回は2026年5月30日に大阪での開催が予定されております。

ゲーミングデバイスを出展していた企業を取材!


今回は、企業ブースに出展していた企業を取材しました。音響機器メーカーから輸入代理店、国産ゲーミングデバイスブランドまで、多様な企業が自社製品の展示・販売を行っていました。

株式会社ARTISAN様

──貴社の売れ筋商品について教えてください。


弊社の売れ筋ゲーミングマウスパッド商品は「NINJA FX ゼロ」シリーズで、特に「NINJA FX ゼロ SOFT」のXLサイズが最も人気を集めています。ゼロ SOFTは、マウスパッドを使用してゲームを遊ばれる様々な方にとって使いやすく、マルチに対応できることが特徴です。

例えば、ゲーマーの中には、スピードを重視する方や止めを重視する方など、異なるプレイスタイルの方がいらっしゃいます。ゼロ SOFTはこうした設定の違いやスタイルの要件を選ばないマウスパッドとして評価されており、ゲーマーの方はもちろん、トッププロの方々にもご利用いただいています。

XLサイズが人気の理由は、エイム(照準)を合わせる際にある程度の面積が必要であるためです。XXLサイズも展開していますが、日本の住環境ではデスクに収まりきらないことも多く、XLサイズを選択する方が多いです。

ゼロシリーズのブレーキ感で物足りない方には、よりマウスを止めやすい「NINJA FX 99式」シリーズ。ゼロよりも速い滑りを求める方には、「キ83」、「ハヤテ乙」、「ヒエン」、「ライデン」といった様々な選択肢をご用意しております。今回の会場では、限定販売のアウトレット商品とゼロとヒエンの売れ行きが好調です。

──どんな方と一緒に働きたいですか。


弊社では、エンドユーザーの方々のことを第一に考えられる方を求めています。

今回の出展に携わっているスタッフも多く従事している出荷業務においては、商品に対して真摯に向き合える方を重視しております。具体的には、ご注文いただいた商品をできる限り早くお客様にお届けすることはもちろん、「検品時に少しでも品質に疑問を感じる商品は出荷しない」徹底したクオリティ管理を行っています。

商品を大切にし、それを手に取るお客様のことを真剣に考えてもらえる方と一緒に働きたいと考えています。

株式会社ヤマハミュージックジャパン様

──貴社の売れ筋商品について教えてください。


現在の売れ筋は、ゲーム・配信向けオーディオインターフェースゲーム・配信向けオーディオインターフェースZGシリーズの「ZG02」です。

「ZG02」は、ボイスチャットやゲーム配信に特化して開発されており、ゲームプレイや配信における音声のミックスを直感的な操作で行える点が特徴です。

特に、シンプルなノブでボイスチャットやゲーム音・パソコンの音量を個別に調整できる機能が好評をいただいています。高音質かつ手元で簡単にボリューム調整ができることで、配信者やゲーマーの方々の利便性を大幅に向上させています。

製品には、実際のユーザーの皆さんからのフィードバックが反映されています。そのため、今回のゲーミングバザーのような場で、ユーザーの皆さんと積極的にコミュニケーションを取るようにしています。

──どんな方と一緒に働きたいですか。


自分の好きなことを大切にし、それに対して一生懸命取り組む方と一緒に働きたいと考えています。

弊社は楽器・音響機器メーカーですが、音楽を趣味とする社員もいればゲームを趣味とする社員もおり、多種多様な興味を持つ人が活躍していると感じます。共通しているのは、趣味にも仕事にも全力で取り組む姿勢です。

協調性などのチームで働くスキルも非常に重要ですが、何より自分の興味のアンテナを広くもち、粘り強く物事に取り組める人材を求めています。特に弊社においては、好きだからこそ見えてくる視点や、ユーザー目線での発想が、より良いマーケティングにつながると信じています。

Pulsar様

──貴社の売れ筋商品について教えてください。


今回のゲーミングバザーでは、商品の販売ではなく抽選会を実施しています。弊社5周年記念の特別セットとして、マウス、ガラスマウスパッド、Tシャツのセットを用意しております。ガラスパッドとTシャツは非売品のため、このイベントでしか入手できない限定商品です。

この企画は完全に「ノリ」で始まったもので、思いつきで提案したところ通ったという経緯があります。シンプルなフローで実現でき、少人数でも運営しやすく、インパクトもあるという理由で実現しました。

通常の売れ筋商品としては、プロ選手コラボモデルやプロチームコラボモデルが非常に好調な売れ行きを示しています。特に選手モデルについては、その選手に合わせて専用設計を行っているため、機能性の面でも高く評価されています。

一方、チームモデルはファンの方々にチームデザインを評価いただいており、人気を集めています。

──どんな方と一緒に働きたいですか。


自分で考えて、実際に行動に移せる人と一緒に働きたいと考えています。弊社では何より行動力のある人材が活躍しています。

弊社は少人数体制で運営しているため、考えているだけでは何も進まないのが現実です。そのため、アイデアを出すだけでなく、それを実行に移す力が不可欠です。「考えるだけでなく動ける人」でないと、プロジェクトが停滞してしまうため、実行力を最も重視しています。

ATK Gaming Gear(株式会社ゲート)様

──貴社の売れ筋商品について教えてください。


10月10日に発売されたばかりの最新モデル「ATK RS6」が現在のイチ押し商品です。この製品は反応速度に特化したゲーミングキーボードで、キーを押してから実際にゲームに反映されるまでのレイテンシーを極限まで短縮しています。

エクストリームモードに切り替えることで、テストラボでの測定では、最短0.08ミリセカンドという瞬間的な反応を実現しております。ゲーマーにとって最も重要な指標である反応速度において、現時点で導入可能な最高のテクノロジーを採用した製品です。

──どんな方と一緒に働きたいですか。


弊社は輸入商社として、ゲーミングデバイスやオーディオ関係の商材を取り扱い、国内の家電量販店への卸売りを行っているため、ビジネスをしっかりと考えられる人材を最も重視しています。

ゲームやゲーミングデバイスへの興味は重要ですが、それ以上に商売として成立させることが大切です。仕入れ価格から販売戦略まで含めて利益を確実に出すための設計ができ、上流のメーカーからエンドユーザーまでの流通全体を理解し、実際に動ける人材が求められます。

また、弊社では輸入販売だけでなく、ブランド構築も重要な業務として位置づけています。マーケティングの年間プラン策定、ソーシャルメディア運用、サポート業務まで、トータルパッケージでブランドを育てることに取り組んでいます。そのため、一人で多様な業務を担当できる人材が理想的です。

ゲーミングデバイス業界は比較的小規模な市場のため、デザイン、ローカライズ、カタログ制作、ソフトウェア翻訳など、幅広い業務を担当する必要があります。そのため、特定分野を極めるよりも、様々なことに対応できる柔軟性を持った方が活躍できる環境です。また、海外メーカーとの交渉が頻繁にあるため、英語力も重要なスキルとなります。

ELECOM GAMING様

──貴社の売れ筋商品について教えてください。


先月発売した「VM800」が現在のイチ押し商品です。この製品はTRUE8K×UWB(超広帯域無線通信技術)という、新しい通信方式を採用したゲーミングマウスで、通信の安定性が最大の特徴です。

UWBは7.25~9.30GHzの超高周波数帯を使用しており、一般的なワイヤレスマウスが使用する2.4GHz帯とは異なります。2.4GHz帯はスマートフォンやBluetoothなど多くの機器が使用しているため混線が起こりやすいデメリットがあります。そこで、UWBを使用することでこの問題を回避し、非常に安定した通信を実現しています。

開発のきっかけは、プロの大会で無線接続が不安定になり有線に切り替えざるを得ない事例を目にしたことです。より安定した通信と低遅延を両立させたい思いから、UWB技術の採用に至りました。

社内実験では2.4GHz帯の電波を疑似的に発生させた環境でも安定した動作を確認しております。スポンサードしているストリーマーさんからも「通信機器が多い環境でも8Kポーリングレートが安定している」という評価をいただいています。

──どんな方と一緒に働きたいですか。


弊社はものづくりの会社として、「こういう製品を作りたい」という強い信念を持った方と一緒に働きたいと思っています。ニッチな製品も多く手がけているため、「こういう機能には需要があるのではないか」といった独自の視点と根拠を持てる人材が重要です。

今回のUWB搭載ゲーミングマウスも、市場にはまったく存在しなかった製品でした。このように、まだ一般的ではないが将来性のある技術や機能を見極められる、マニアックな視点を持った方と一緒に働きたいと考えています。

例えば、ラピッドトリガーも最初は一部の愛好家しか知らない機能でしたが、今では多くのキーボードに標準搭載されています。「ゲームで強くなるためにはこんな要素が必要」という視点を持ち、ゲームに対して深い理解と情熱を持った方が弊社では活躍しています。

取材・文:小川翔太、松永華佳