【インタビュー】タレント兼女性プロゲーマー、大友美有のキャリアとは

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【インタビュー】タレント兼女性プロゲーマー、大友美有のキャリアとは

eスポーツ専門の求人メディア「eek(イーク)」では、eスポーツに関するさまざまな仕事にフォーカスした記事をお届けします。第9回は、元プロゲーマーの経歴を持ち、現在は芸能事務所スターダストプロモーションに所属する。

Shakespeare(シェイクスピア)こと、大友美有さんです。

N高等学校在学中に「全国高校eスポーツ選手権」「Coca-Cola STAGE:0 2020」で優勝を果たし「女子高生ミスコン2019」のファイナリストとしても注目されたのち、プロゲーミングチーム「Rascal Jester」と「FENNEL」の『リーグ・オブ・レジェンド部門」で活動。

同ゲームの国内初の女性プロです。

今回は「eスポーツのキャリアを目指したきっかけ」「自身の仕事内容」「eスポーツキャリアにおいて大事なスキル」を伺いました。

eスポーツのキャリアを目指したきっかけ


――「eスポーツを仕事にしていこう」と考えるようになったきっかけは何でしょうか。


高校卒業後に所属した「Rascal Jester」(現:FENNEL)での活動を通して「eスポーツを仕事にしていこう」と考えるようになりました。

正直のところチームに誘っていただいた当時は(eスポーツを仕事にすることについては)ピンと来ていませんでした。

最初の1年間は練習生として参加していて、特に大きな役割もなく、ただチームに所属しているだけのような状態でした。自分の中では「高校生大会の延長」ぐらいの認識でした。

ただ、練習試合のたびにコーチが指導してくださり、自分の知らないことを学ぶのが楽しくなり、LoLに本気で取り組むようになりました。

「FENNEL」になる直前の1年間が、私にとって大きな転機でした。

この1年間は、私がメンバーと衝突することも増え、そのタイミングで「もう1部リーグを目指すのをやめよう。次のリーグで最後にしよう」と思い、他の道に進むことも考え始めました。


――メンバー間の衝突はeスポーツを本気でやっているからこそですね。


いざ「FENNEL」での活動が始まったとき、「今年もLJL(League of Legends Japan League)に出られなかったら、来年はプロチームに入らない」と決めました。コーチからの練習課題も達成するために必死で頑張りました。

結果、課題を達成してスクリムに出させてもらえて、そのまま1部リーグに出場できました。

ただ、出場できた達成感と同時に自分の実力不足も痛感しました。チームメンバーが強かったのに、自分のせいで残念な結果になってしまったことが悔しくて「2024年は今後どうするかを決める年にしよう」と。

自分が本当にLoLを続けたいと思っているのなら、チームに所属していなくても、自主的にLoLを続けるはず。ところが燃え尽きたのか、しばらくはLoLをプレイしなくなってしまったんです。2024年は学業と配信に力を入れ、2025年の方向性を決めることにしました。そういった背景から、現在はチームに所属していません。

ご自身の仕事内容について


――タレント業もされていますが、これまでのキャリアの中で、最も楽しかった仕事や、やりがいを感じた仕事は何でしたか。


田中みな実さんと「NTTコミュニケーションズ OCN」へのCM出演が決まった時は本当に嬉しかったです。

あざとくてダークな雰囲気のある田中みな実さんや宇垣美里さんのような方が好きなんです。日ごろから「好きな芸能人は誰?」と聞かれた時には、そう答えていました。

するとある日、マネージャーさんから「CMで田中みな実さんとの共演が決まったよ」と聞いて、布団の上で飛び跳ねて喜びました。

現場での田中みな実さんは声がとても綺麗で、終始にやけてしまいました。

お写真を一緒に撮っていただき、今でも思い出としてスマホに残しています。

――当時そのCMを拝見してびっくりしたのを覚えています。他にも印象的だった仕事はありますか。


次に嬉しかったのは芸能の仕事ではないですが「LJL」の1部リーグに出場できたことです。

出場して良い結果を残せたことはもちろんですが、VicaLコーチが自分にもチャンスをくださったことも嬉しかったです。

そして、「LJL」に出場して勝利したことで、「チャンスを掴み取るために努力できた自分」がいることにも気づけました。

その経験を通して目標を具体的に設定して「達成に向けて時間を費やすこと」「自分で決めて取り組むこと」が大切だと学びました。

現在のキャリアにおいて大事なスキルとは


――学生の頃やっておけばよかったこと、身につけておけばよかったと感じるスキルはありますか。


学生時代にもっとコミュニケーションを取る練習をしておけばよかったと後悔することがありました。

タレントの仕事をしていると、控室でタレントの皆さんと会話をする機会が多いんです。

最近になって、学校というのは「コミュニケーション能力を養う場所だった」と考えるようになりました。

当時は「学校は勉強するだけの場所」だと思っていたので、勉強は家でもできるし、効率が悪いと感じていました。

私は中学生から高校生のころに、他人とのコミュニケーションを避けてきたので、仕事を始めたばかりのころは、人と話すのが苦手で、会話が続かないことが多かったです。

本来なら学生時代に学ぶべきだったことを、大人になってから学んだことで苦労しています。人とのコミュニケーションは、自分の知識を増やす良い機会でもあります。

例えば、私はLoLの知識は豊富ですが、他のタレントの方々は洋服や食べ物の話など、私の知らないことをたくさん知っています。会話を通じて新しい知識を得ることができるので、もっとコミュニケーションスキルを磨いていきたいです。


――eスポーツ関連の仕事をしていると、いろいろな業界の方々と関わる機会が多いので尚のことコミュニケーションスキルは重要ですね。逆に「学生の頃にやっておいて良かったこと」は何かありますか。


他のことを置き去りにするくらい、高校時代にゲームに熱中できたことです。自分のやりたいことに真剣に取り組める癖がついたように思えます。

1つのことに熱中できたことは、私だけではなく、家族の協力も大きかったです。

普段、私は母と仲が良いのですが、中学生のころに(将来について)母と大きな喧嘩をして、自分のやりたいことをはっきりさせたこともあります。

高校生のころも、母を不安にさせてしまい、一度本気でぶつかったこともありましたが、結果的には「1回やってみなさい」と暖かく見守ってくれました。

eスポーツ大会への参加を許してもらうために「結果を残す」ということを心掛けました。


――大友さん、ありがとうございました!