今年の注目はレバーレス!各社に聞いてみた【EVO Japan 2025】

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今年の注目はレバーレス!各社に聞いてみた【EVO Japan 2025】

日本最大級の格闘ゲームの祭典「EVO Japan 2025」が、5月9日(金)〜11日(日)の3日間、東京ビッグサイト 東2・3ホールにて開催されました。

今年はついに来場者数が過去最多の30,000人超えを記録し、まさに空前の盛り上がりを見せるイベントとなりました。

今大会では『ストリートファイター6』をはじめ、『TEKKEN 8』『GUILTY GEAR -STRIVE-』などの人気タイトルに加え、『Virtua Fighter』や『3rd STRIKE』のチーム戦復活といった試みも行われ、エントリー数・出展規模ともにEVO Japan史上最大規模に。

eスポーツ専門メディア「eek」取材班も会場に足を運び、企業ブースの出展担当者に「製品のこだわり」「開発背景」などについて直接インタビュー。イベントの熱気とともに、会場で出会った注目のプロダクトや企業の想いをお届けします。

企業ブースを取材!各社のレバーレスアケコンについて紹介してもらいました


近年、格闘ゲームシーンで注目を集めている「レバーレスアーケードコントローラー(通称、レバーレス)」。

従来のレバー操作に代わり、すべての入力をボタンで行うこのスタイルは、正確な操作性と反応速度の速さから、多くのプレイヤーに支持されています。今回は、EVO Japan 2025にて、各社が展開するレバーレスアケコンの特徴や開発へのこだわり、さらには今後の展望までをうかがいました。

MSY株式会社様(GRAPHT REMIXERS)

──御社と最新のレバーレスアケコンについて教えてください。


弊社は「GRAPHT」というメインブランドを展開しており、その中のサブブランド「REMIXERS(リミキサーズ)」を今回はメインでご紹介しております。

最新モデルとしてご紹介しているのは、セミオーダー・組み立て式のレバーレスアーケードコントローラーです。完成品を販売するのではなく、ボディやボタンなどのパーツをユーザーが自由に選び、組み立てていただくスタイルを採用しています。

第一弾はアルミニウム合金製のボディに固定配列を組み合わせたもので、今後はカラーバリエーションや素材(アクリル・木材など)の拡充、さらにはボタン配列の自由度を高めたパーツ展開も予定しています。

既製品では満足できなかったプレイヤーが、自分に合う「理想の一台」を求めてカスタマイズを重ねていける、柔軟さと拡張性を持ったコントローラーを目指しています。

──どんな方と一緒に働きたいですか。


今後、チームとしてはマーケティング人材の採用にも力を入れていきたいと考えており、特にWebマーケティングに強い方にジョインいただけると心強いです。現状は開発中心の小規模な体制ですが、これから製品とブランドの認知をさらに広げていく段階にあります。

一緒に働きたいのは、ゲームが好きで、さらにその「好き」を形にして届けたいという意欲を持った方です。加えて、困難に直面しても「どうすればできるか」と前向きに考えられる姿勢を持つ方と、今後のブランドを育てていけたらと考えています。

株式会社アタッサ様(Qanba SAPPHIRE)

──御社と最新のレバーレスアケコンについて教えてください。


弊社は、インドネシアのArcade Stick Indonesia社および米Qanba USA, LLCなど、複数の海外ゲーミングデバイスメーカーの日本総代理店を務めております。今回は、Qanbaの最新レバーレスアーケードコントローラー「SAPPHIRE(サファイア)」をご紹介しています。

「SAPPHIRE」は、PlayStation5・PlayStation4公式ライセンス製品であり、PCにも対応。18ボタンを搭載し、各ボタンの機能を自由に入れ替えられる高いカスタマイズ性を備えています。
本体にはボタン入力を確認できるディスプレイを搭載しており、3種類までのプロファイルを保存可能。ゲームタイトルやキャラクター、対戦相手に応じて最適な設定を即座に呼び出せるようになっています。

さらに、ボタンごとにストローク(押下深度)を変更できる機構を搭載。ユーザーが最も操作しやすいセッティングを自由に構築できます。内部にはホットスワップ対応のMXキースイッチを採用しており、不具合時にはユーザー自身で交換可能です。

天板は透明アクリルパネルになっており、好みのアートワークを挿入することで、自分だけのオリジナルデザインのアケコンを作成することも可能です。

また、LEDによる視認性の高い反応表示や、使わないボタンの目隠しパーツも標準装備。ユーザビリティと実用性を高次元で両立した、ハイエンドかつ自由度の高い製品となっています。

──どんな方と一緒に働きたいですか。


今後弊社で活躍いただきたいのは、単なる語学力にとどまらず、マーケティング・商品企画・営業的視点を兼ね備えた「グローバル人材」です。

弊社は、もともと外資系メーカーの日本支社での経験を持つ代表が立ち上げた、海外ゲーミングブランドの日本市場展開を支援する専門商社です。現在では、日本国内にメーカー支社を持たない海外ブランドの製品を正規に輸入し、販売・広報・サポートまで一貫して担当しています。

扱う製品はアケコンや関連パーツを中心に、映像デバイスやフライトシムなど多岐にわたります。そのため、商品の本質を見極め、ユーザー視点で提案・企画ができる方、そしてゲームやデバイスへの情熱を持ち、主体的に学ぶ意欲のある方を歓迎しています。

弊社の役割は、単なる「輸入販売」ではありません。メーカーとユーザーの架け橋として、日本市場での製品価値を高め、コミュニティに貢献する仕事です。そうした想いに共感してくださる方と、ぜひ一緒に働きたいと考えています。

有限会社サインウェーブ様(MAD CATZ)

──御社と最新のレバーレスアケコンについて教えてください。


MAD CATZは、コントローラー系メーカーとしてはほぼ最後発の参入となりますが、その分、日本のコミュニティの皆さんの意見をしっかり吸い上げて設計しています。
後発だからこそ、「選ばれる製品」を意識して開発に取り組みました。

一番のポイントは、ボタンのレイアウトや数、そしてボタンの大きさです。近年は、女性プレイヤーや若年層の格闘ゲーマーも増えてきており、手の小さい方でも無理なく操作できるよう、小さめのボタンを採用しました。

レイアウトも全体的にぎゅっと詰まった構成になっており、拡張ボタンまでしっかりと指が届くようになっています。実際に使用された方からは、「触りやすく操作しやすい」といった声をいただいています。

──どんな方と一緒に働きたいですか。


日本市場に合った製品を展開していくために必要なのは、「英語力」と、何よりも「熱量」を持った方です。

ユーザーの声を的確に伝え、それを製品に落とし込んでいくためには、文化やビジネス観の違いを越えて、現地のチームを説得し巻き込む力が求められます。

ゲーム業界全体でも、地域ごとに適したデバイスや仕様が必要とされています。
たとえば手の大きさなども国や地域によって異なるため、そうした違いに柔軟に対応していくことが重要です。

なお、現在MAD CATZは日本に支社を持っておらず、グローバル本社とのやり取りは基本的に英語で行っています。

海外ブランドでありながらも、ローカルのニーズに即した製品づくりを進めていく上で、こうしたコミュニケーション能力と情熱を兼ね備えた方と一緒に仕事ができれば嬉しく思います。

株式会社moimate(Rushbox)

──御社と最新のレバーレスアーケードコントローラーについて教えてください。


株式会社moimateは、製品リリースからまだ1年弱というスタートアップ段階にあり、現在は代表の私が全製品の開発を担当しています。他には、中国語対応で量産工程をハンドリングできるスタッフや、映像制作担当など、6〜7人ほどの小規模チームで運営しています。

今回は「RushBox(ラッシュボックス)」ブランドとして出展しております。

今回のブースでは、「RushBox」「Rushbox Lite 2」の​​先行販売、そしてこの夏にリリースを予定している「RushBox Click」を展示しています。

最大の特徴は、最大18ボタンの穴が開いており、ユーザーが好みに応じてボタン位置をカスタマイズできる点です。この自由度の高さが評価され、2023年4月にクラウドファンディング(CAMPFIRE)を実施した際は、2,000万円以上の支援を獲得。その後、正式に製品化され、現在では大手量販店にも流通しています。

レバーレス市場が盛り上がる中で、弊社製品は「薄型・小型・多ボタン・自由なレイアウト」という点で、すでに明確な差別化ができていると考えています。

実際に、ヨドバシカメラやビックカメラなどでも販売が伸びており、市場での手応えもあります。近年、他社製品でも似た方向性のデバイスが出始めていますが、当社が一番早く、先行して市場に投入できたという自負があります。

──どのような方と一緒に働きたいとお考えですか。


現時点で特に求めているのは、Webマーケティングに特化した人材です。現在は手作業でマーケティングを行っているため、専門的な視点で戦略を組み立てられる方にジョインしていただけると非常にありがたいと考えています。

株式会社フェルマー(ふもっふのおみせ)

──御社と最新のレバーレスアーケードコントローラーについて教えてください。


私たちは、海外製ゲーミングデバイスの日本正規代理店として、魅力的な製品を日本の皆様に届けることをミッションとした企業です。元々はFPSジャンルを中心にデバイスを展開してきましたが、昨年のEVO Japanをきっかけにアーケードコントローラー(アケコン)市場に参入しました。

今回のEVO Japan 2025では、昨年発表したレバーレスコントローラー(VARMILO FK2)の現地販売や、『ストリートファイター6』とのコラボ商品(キーボードやマウスパッドなど)の展示を行っています。さらに、新型レバー(VARMILO KASSAI)のプロトタイプもお持ちしており、来場者の皆様からのフィードバックをいただくことを目的としています。

中でも注目いただきたいのが、「ラビットトリガー」という機能です。これはもともとFPS用デバイスで主流となっている機能で、入力のオン・オフを高速化することで、ガードやコマンド入力をスムーズにする効果があります。この技術を格闘ゲーム用アケコンに取り入れたのが、他社にはない大きな特徴です。

また、各ボタンごとに入力位置(トリガーポイント)をカスタマイズできる点もポイントです。PCに接続し、専用ウェブサイトから簡単に設定を変更できるため、初心者の方でも手軽に自分に合った操作感を追求できます。

さらに、価格帯はメーカーにも尽力いただきエントリーモデルとして手に取りやすい設定としているため、これから格ゲーを始めたい方や、FPSから格ゲーに挑戦してみたい方にもおすすめです。
操作性、価格、自由度という点で、初心者から上級者まで幅広い層に対応したレバーレスコントローラーとなっています。

──どのような方と一緒に働きたいとお考えですか。


まず第一に重視しているのは、「商品・取扱メーカー・会社への“愛”を持てる人」です。

弊社ではこの「愛」を、商品の理解やこだわりだけでなく、会社そのものやお客様への思いとしても大切にしています。自社の商品を本当に好きでいてくれること、それをお客様にしっかり伝えようとする姿勢が、何よりも重要だと考えています。

また、具体的な業務の中には、秋葉原に開設したショールームでの接客・説明業務や、EVO Japanのようなイベント現場でのブース対応などがあり、製品に関する十分な知識と説明力も求められます。

そうした意味で、ゲームが好きであることは大前提であり、その好きを「伝える力」「理解する力」につなげていける方と、ぜひ一緒に働きたいと考えています。

お客様に愛される商品を届けるためには、まずは自分たちが心からその商品と会社を愛せること。それが私たちの採用において一番大切にしているポイントです。

Zeroplus Technology Co., Ltd(Brook)

──事業内容を教えてください。


今回ご紹介しているのは、弊社のBrook Gamingが現在開発中の最新レバーレスアーケードコントローラーです。本製品の最大の特徴は、非常に薄型・軽量・低価格であること。重さはわずか約900グラムで、ケース・リンク・ベルトといった付属品もすべて同梱されています。

さらに、ライティングモードは自由に切り替え可能で、SOCD(Simultaneous Opposite Cardinal Direction)モードは4種類を搭載しています。例えば、「Capcomモード」や「Tournamentモード」など、使用環境に応じた設定が行えます。

また、PlayStationにも対応済みで、さまざまな大会環境で利用可能な高い互換性を誇ります。もちろんPCでも使用できるため、幅広いシーンで活躍できる多機能コントローラーです。

──どのような方と一緒に働きたいとお考えですか。


現在、Brookでは、YouTuber、eスポーツ関連チームとのコラボ商品も積極的に検討しています。そのため、将来的には一緒に製品開発や企画を推進してくれるようなマーケティング担当者やプロダクトマネージャーの方を求めています。

また、Brookでは特にFPSや格闘ゲームなどのゲームが好きな方を歓迎しています。ゲームに対する情熱を持ち、それをプロダクトへ活かせる方であれば、Brookのチームにとって非常に心強い存在です。

現在もっともニーズが高いのは、プロダクトマネジメントの経験を持つ方や、マーケティングに精通した方です。

製品知識やユーザーとの接点に加え、Brookのブランド価値を広げていくための戦略的な視点を持った方と、ぜひ一緒に働きたいと考えています。
取材・文:小川翔太、松永華佳